江戸川病院

社会福祉法人 仁生社

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診療科・部門|婦人科|子宮内膜症

子宮内膜症

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子宮内膜症と症状について

子宮内膜症とは子宮内膜に似た組織が子宮の内腔以外の場所で生着する病気です。近年晩婚化や少子化により増加傾向にあり、生殖年齢の女性では約10%にみられると考えられています。卵巣に発生すると内部に血液が溜まり、チョコレートのう胞になります。時に破裂し嚢胞内容が腹腔内にこぼれることがあり、強い腹痛・発熱などが現れます。子宮の壁の中に発生すると子宮腺筋症となり、過多月経や過長月経の原因になります。そのほか腹膜や、腸管、臍、肺など様々な部位に発生することもあります。月経痛や骨盤痛に加え、不妊などの原因になります。更に、チョコレートのう胞は稀に癌化することがあるため、定期的な検診が必要です。月経痛がひどい場合や性交痛・排便痛などの症状がある場合には一度、婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症の診断

月経の状況や症状についての問診、内診、経腟超音波検査や骨盤MRIなどで検査を行います。

また、血液検査でCA125やCA19-9の値を調べます。手術の際に偶発的に内膜症が発見されることもあります。

子宮内膜症の治療

子宮内膜症の程度、年齢や妊娠の希望により治療法は異なります。病気の状況やご本人の希望に合わせて、治療方針は話し合って決めていきます。

  • 薬物療法
    月経困難症の症状が強い方やチョコレートのう胞・子宮腺筋症の方は、低用量ピルや月経を止める黄体ホルモンであるジエノゲストを内服します。また、偽閉経療法を併用することもあります。
  • ミレーナ
    過多月経や月経困難症がある場合には子宮内にミレーナというT字型の器具を挿入します。ミレーナがレボノルゲストレルという黄体ホルモンを持続的に放出することで、子宮内膜の増殖を抑えるため月経量が減少します。また月経困難症にも効果があります。装着中は定期的な検診を行い、最長で5年ほど効果が持続します。
  • 手術療法
    • チョコレートのう胞 卵巣のう腫摘出術、付属器摘出術
      薬物療法が効かない、あるいは卵巣のう腫のサイズが大きい場合には手術を考慮します。将来的な妊娠の希望がある場合には、のう腫のみを摘出し正常な卵巣を温存します。再発率が高いため、妊娠を希望しない場合には卵巣と卵管を一緒に摘出します。術後は再発を防ぐため、妊娠を希望されるまで低用量ピルやジエノゲストによる薬物療法を継続します。当院では特殊な場合を除き、手術は腹腔鏡で行います。入院期間は6日間で、社会復帰は開腹手術と比較して早いというメリットがあります。
  • 子宮腺筋症
    保存的治療により十分に症状のコントロールができない場合は、子宮摘出をお勧めします。
  • 手術については こちら