社会福祉法人 仁生社
江戸川病院
・FAI(femoroacetabular impingement)は,大腿骨および寛骨の骨形態異常によって股関節動作時に衝突が生じる病態と定義されています。
・インピンジメント(衝突)によって股関節唇および関節軟骨が損傷されることから、関節の求心性が損なわれ関節不安定症が高率に生じることも報告されています。
・何らかの理由で生じたが機能不全(筋力低下、柔軟性低下など)単径周辺部の器質的疾患発生に関与し、運動時に鼠径部周辺部に様々な痛みを起こす疾患です。
・機能不全(筋力低下・柔軟性低下など)がある状態で競技やトレーニングを続けることで鼠蹊部に負担が集中すること疼痛が引き起こされます。
・アスリートに発生するアスリート蝋径部痛はその病態や疸痛の原因を特定することが難しく、時に診断と治療に難渋します。FAIは 股関節関連厳径部痛の代表疾患として考えられています。
・FAIの診断は臨床症状と画像診断を合わせて行います。
・FAIは股関節の形態と引き起こす病態より,3つのタイプに分類されます。
・整形外科的テストとしてはImpingementテスト、Patrickテスト、FABERテストなどの疾痛誘発テストが陽性であること、抵抗下のSLR運動における筋力低下や疾痛の有無、股関節屈曲内旋角度の左右差の有無を確認する。
・画像評価は単純X線が基本です。必要に応じてCT検査や関節唇損傷部の厳密な評価のために関節造影併用放射状MRIを行います。
・リハビリテーション
FAIの臨床症状として①股関節の可動性低下、②股関節の安定性低下、③骨盤帯の可動性低下、④腰椎、骨盤帯の安定性低下が挙げられるのでこれらの改善に努めます。
・関節内注射
ステロイド注射、ヒアルロン酸注射、PRP注射などがあります。
・手術療法
鏡視下手術があります。
痛みを起こしている部位を特定し局所の痛みに対して治療を行います
競技による動作の確認を行い疼痛に原因となりうる動作の修正、改善を行います
エクササイズ例
①股関節の可動性低下に関しては外旋筋群のストレッチを実施します。
②股関節の安定性低下に関しては小殿筋、中殿筋のトレーニングを行います。
③骨盤帯の可動性低下に関しては肩甲骨-胸椎-腰椎-骨盤が十分な可動性を持ち、連動して運動するトレーニングを実施します。
④腰椎、骨盤の安定性低下に関してはプランクを中心とした体幹のトレーニングを実施します。
<参考文献>
仁賀定雄:スポーツと骨盤−病態と診断−:臨床スポーツ医学(2018)
若間仁司ほか:MB Orthop.31(6):59-68,2018
山藤崇:MB Orthop.33(10):103-108,2020
青山倫久ほか:MB Orthop.31(6):49-58,2018
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