令和元年度 社会福祉法人仁生社 江戸川 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 11 83 107 184 607 920 1523 2634 2016 324
・年齢階級別(10歳刻み)の患者数を示しています。
・年齢階級は90歳以上を1つの階級として設定しています。                           

・令和元年度中に退院された患者数は8,409人で、60歳代以上の患者様が全体の75%以上を占めいています。昨年度と比較しても年齢階級別の患者構成比にあまり変化はありません。当院は東京東部地域の中核病院として高度な医療を地域の皆様に提供しております。近年、がん治療に力を入れており、患者様のライフスタイルやニーズに合わせた治療方法を幅広く提供できる体制を整えております。また、学生さんが学校や部活が終わった後にでもスポーツドクターに受診できるように夕方・夜間診療にも積極的に取り組んでおります。 今後もさらに幅広い年齢層の患者様が受診できるよう、医療体制の充実を図ってまいります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:なし 157 2.09 2.63 0.0 66.6
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍-内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術-処置1:0-処置2:なし-副病:0 40 8.13 8.27 0.0 72.8
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし 22 12.32 9.79 9.1 77.1
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍-早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術-処置1:0-処置2:0-副病:0 15 9.13 6.98 0.0 64.0
060270xx99x0xx 劇症肝炎、急性肝不全、急性肝炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:0 13 13.69 12.04 15.4 45.8
消化器内科で1番目に多い症例は、昨年と同様でポリープ切除術を伴う大腸の良性疾患です。通常は1泊2日で入院治療が完結し、多くの病院でも消化器内科においては一番多い症例ではないでしょうか。2番目に多いのが胃癌で、早期のがんを内視鏡的に切除する症例となりました。胃がんは、胃の粘膜に発生する悪性腫瘍で、日本では一番かかりやすい悪性腫瘍です。胃がんの治療は、基本的には外科手術が中心となりますが、早期胃がんの中には、上部消化管内視鏡を用いた治療として、内視鏡的粘膜切除術(EMR)や、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応となる場合があります。これらは入院期間が外科手術に比べて短くなります。3番目に多いのが胆管炎を含む胆道疾患が挙げられます。総胆管結石や閉塞性黄疸等に対して内視鏡を用いた治療や抗生剤投与を行います。
30年度より常勤が1名増えましたので、昨年度より症例件数も徐々に伸びてきております。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈形成術等-処置1:なし、1,2あり-処置2:なし-副病:なし 327 2.40 4.40 0.9 71.3
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈-経皮的カテーテル心筋焼灼術-処置1:0-処置2:なし-副病:0 147 3.74 5.02 0.0 65.8
050130xx99000x 心不全-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 86 13.67 17.71 16.00 81.1
050210xx97000x 徐脈性不整脈-手術あり-処置1:なし、1,3あり-処置2:なし-副病:なし 59 6.66 10.80 10.00 80.8
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞-その他の手術あり-処置1:なし、1あり-処置2:なし-副病:なし 56 9.07 12.37 12.00 66.5
当院は東京都CCUネットワークに加盟しており、24時間、循環器専門医師による救急患者の受け入れが可能です。最も多い症例は、虚血性心疾患(狭心症など)という心臓を取り巻く血管(冠動脈)が狭窄し、心筋に十分な血液が送れなくなる疾患です。進行することで心臓の働きが弱ることや、血管が完全に閉塞することで心筋が壊死し、突然死に至ることもあります。当科では虚血性心疾患に対しての血管内カテーテル検査は原則的に外来で日帰り検査として行っているため、入院の対象となるのは治療(ステント留置術やバルーン拡張術)目的の患者様です。これらの治療件数は都内でも上位であり、また入院日数もほぼ1泊2日で退院することができるため、平均在院日数も全国平均より短くなっています。また近年では不整脈治療にも力を入れており、特に心房細動に対するカテーテルアブレーション(経カテーテル心筋焼灼術)の件数が増えてきました。当院では熱による心筋焼灼術に加え、適応があれば冷凍バルーンによる焼灼術も行っています。この術式は従来のものと比べ、手術時間も短く、再発の可能性も軽減できるといわれています。心不全は再入院率が高い疾患であるため、慢性心不全領域の認定看護師を中心に、担当看護師が退院後も電話訪問をし、生活習慣の改善指導や病識の向上を促しています。現在、心不全領域の認定看護師が2名体制おり、診療のバックアップ体制も充実しています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。)-内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術-処置1:0-処置2:0-副病:なし 226 2.13 2.63 0.0 66.5
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上)-ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等-処置1:0-処置2:0-副病:0 141 5.20 4.85 0.0 69.4
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など)-腹腔鏡下胆嚢摘出術等-処置1:0-処置2:0-副病:0 51 6.88 6.37 0.0 62.8
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎-限局性腹腔膿瘍手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし 48 9.65 9.79 0.0 71.1
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 45 12.78 8.89 2.2 72.4
外科で1番目に多い症例は、昨年度と同様でポリープ切除術を伴う大腸の良性疾患になります。消化器内科と同様で通常は1泊2日の入院となります。2番目に多い症例は鼠径ヘルニアとなります。鼠径ヘルニアは高齢化に伴い症例数が増加傾向にある疾患です。当院でも毎年年間150例近く手術を行っています。3番目に多い症例が胆石症になります。治療は腹腔鏡下での胆嚢摘出手術を行います。入院期間は6~7日程度となり、侵襲性も低く術後の早期社会復帰も可能となります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等-処置1:0-処置2:0-副病:0 223 17.05 23.56 3.4 74.2
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。)-人工関節再置換術等-処置1:0-処置2:0-副病:0 116 20.36 21.53 1.7 67.8
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎-脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等-処置1:0-処置2:なし-副病:0 114 16.59 20.93 5.3 71.6
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折-人工骨頭挿入術 肩、股等-処置1:0-処置2:0-副病:0 110 29.49 25.94 35.5 82.0
160690xx02xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。)-経皮的椎体形成術-処置1:0-処置2:0-副病:0 82 9.13 18.36 7.3 79.0
股関節や膝関節の変形性関節症の患者様が多いことが特徴です。原則として手術は待機的手術となりますので、患者様の状態にもよりますが、外来では「自己血貯血(自分の血液を手術までの間貯めておく)」を積極的に行っております。通常は、他人の血液を輸血する「同種血輸血」を行いますが、「自己血輸血」によって術後の合併症も回避できますので、早期退院にもつながっています。3番目に多い症例は腰部脊柱管狭窄症や腰椎すべり症等の脊椎疾患症例となり、脊椎固定術、椎⼸切除術、椎⼸形成術などの手術を行います。また長期リハビリが必要な場合でも、関連のリハビリ専門病院でリハビリを行うことできるような医療提供体制を整えております。 
                                              
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫-慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし 20 32.80 11.86 0.0 78.9
010070xx01x0xx 脳血管障害-脳血管内手術等-処置1:0-処置2:なし-副病:0 18 19.28 14.17 0.0 75.9
010200xx01x00x 水頭症-水頭症手術 脳室穿破術(神経内視鏡手術によるもの)等-処置1:0-処置2:なし-副病:なし 12 47.33 19.92 8.3 80.4
010010xx99030x 脳腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:3あり-副病:なし 11 23.09 17.49 27.3 66.4
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:なし 10 63.90 18.81 0.0 67.2
脳神経外科で最も多い症例は、慢性硬膜下血腫です。慢性硬膜下血腫は、頭部外傷が原因になり、後に脳の表面に血腫が溜まり歩行障害や認知症等の症状が起こる病気です。脳の萎縮がみられる高齢者に多く、当院の入院平均年齢は78.9歳となっております。治療としては、硬膜下血腫穿孔洗浄術という手術を行い、平均入院期間は10日程度となります。次いで多いのが内頸動脈狭窄症です。生活習慣病により動脈硬化が進み頸動脈が狭くなる病気で、脳梗塞の発症リスクも高くなります。入院平均年齢は75.9歳となっており高齢者に多くみられる傾向となっております。治療としては頸動脈切開し、肥厚内膜を剥離摘出する手術となり、平均入院期間は約19日程度となります。3番目に多いのが水頭症になります。脳の中にたまった脳脊髄液を体内の他の場所に流します。これにより障害されていた脳の機能を取り戻すことが出来ます。 治療としてはシャント手術となり、平均入院期間は約20日程度となります。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。)-ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等-処置1:なし-処置2:1あり-副病:なし 10 24.00 23.77 0.0 71.8
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤-ステントグラフト内挿術-処置1:0-処置2:なし-副病:0 8 19.25 11.75 0.0 73.3
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等-処置1:なし-処置2:1あり-副病:0 7 26.43 22.71 0.0 67.0
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1番目に多い症例が弁膜症になります。治療方法は心臓にある弁を人工弁や機械弁に取り換える弁置換術になります。2番目に多いの腹部大動脈瘤になります。治療として腹部大動脈瘤に対するY-graft置換術になります。3番目に多いのが虚血性心疾患になります。治療方法は冠動脈バイパス術です。冠動脈の病変部分を直接治療するのではなく、患者様自身の腕や足などの健康な血管を冠動脈につなぎ、血液を末端まで送る血管の迂回路を作成する手術です。人工心肺を使用して行う場合もありますが、当院ではほとんどの症例で、心臓を動かしたまま行う「オフポンプ」による手術を施行しています。これにより心臓にかかる負担を少なくし、全身状態の回復を早めることが出来ます。術後は心臓リハビリテーションを施行し、ADLの早期回復に努めています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。)-手術なし-処置1:0-処置2:2あり-副病:0 25 18.16 22.54 40.0 73.2
090010xx99x2xx 乳房の悪性腫瘍-手術なし-処置1:0-処置2:2あり-副病:0 8 30.25 29.20 12.5 54.9
06007xxx9902xx 膵臓、脾臓の腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり-副病:0 7 37.14 25.03 14.3 69.4
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当院では平成19年よりトモセラピー(IMRT)を導入し、現在では3号機まで稼働しております。現状、あらゆる部位の照射が可能ですが、入院症例となるのは照射を導入する患者や化学療法と併用して照射を行う患者が中心であり、原則的には外来に通院しながらの治療となります。前立腺癌や乳癌の骨転移に対するものが最も多く、次いで乳癌や膵癌に対する照射症例が多くなっています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:4あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 23 27.65 16.13 13.0 74.5
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸-手術なし-処置1:あり-処置2:0-副病:0 20 2.00 2.03 0.0 52.5
010060x2990301 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満)-手術なし-処置1:なし-処置2:3あり-副病:なし-発症前Rankin Scale 0、1又は2 6 31.83 18.04 0.0 67.8
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当科で1番多い症例は脳梗塞で、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳梗塞、その他に分類されます。原因に合わせた適切な治療と再発予防を行います。入院期間は後遺症なく退院できる場合は2~3週間程度ですが、リハビリテーションが必要な場合は、約4週間程度の入院となります。自宅退院できない場合は、回復期リハビリテーション病院や療養型病院など、病期や患者さんの状態に合わせた適切な施設に転院します。2番目に多いのは睡眠時無呼吸症候群の診断のために終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査を受けた患者さんです。1泊入院し、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸器流、呼吸運動、いびき音、経皮酸素飽和度などを記録する装置を装着して眠ります。データから睡眠状態と無呼吸・低呼吸および閉塞型か中枢型かなどを解析します。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:0-副病:なし 193 2.17 2.49 0.0 69.8
110070xx0200xx 膀胱腫瘍-膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術-処置1:なし-処置2:なし-副病:0 74 4.91 7.07 0.0 73.5
11012xxx020x0x 上部尿路疾患-経尿道的尿路結石除去術-処置1:なし-処置2:0-副病:なし 63 3.98 5.61 0.0 58.3
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍-前立腺悪性腫瘍手術等-処置1:0-処置2:0-副病:0 54 11.70 12.18 0.0 68.0
110280xx99020x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全-手術なし-処置1:なし-処置2:2あり-副病:なし 43 12.86 8.99 2.3 66.3
泌尿器科で最も多いのは、前立腺生検の患者さんです。採血検査で前立腺特異抗原(PSA)の数値が4.0ng/mL以上または直腸診で前立腺に硬結を触れるなどの所見が得られた場合、前立腺癌が疑われます。癌かどうかの病理診断を得るためには「経直腸的前立腺針生検」という生体検査が必要です。当院では、この検査を1泊2日の日程で行っています。検査は手術室で腰椎麻酔若しくは局所麻酔で実施しています。2番目に多い症例は膀胱癌に対して手術目的に入院される患者様です。膀胱癌は再発率が高く、男性の癌による死亡原因としてその増加が注目されています。膀胱癌の基本治療は、内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TURBT)となります。入院期間は基本4泊5日で行っており、通常は1週間以内で退院となります。3番目は尿管結石の患者さんが多く、痛みにより救急車で搬送されてくる患者さんも少なくありません。治療は自然排石を認めない場合、手術治療を行います。手術方法としては侵襲の少ない内視鏡治療となり、内視鏡手術をした場合、4~5日で退院となります。また体外衝撃波による結石破砕術を行うこともあります。超音波で体外から結石を砕き、小さくして排石する治療法です。入院期間は2日程度となります。
血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050170xx0221xx 閉塞性動脈疾患-動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等-処置1:2あり-処置2:あり-副病:0 53 61.28 76.14 13.2 70.9
050170xx02011x 閉塞性動脈疾患-動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等-処置1:なし、1あり-処置2:あり-副病:あり 34 33.27 41.74 11.8 72.2
050170xx02010x 閉塞性動脈疾患-動脈形成術、吻合術 指(手、足)の動脈等-処置1:なし、1あり-処置2:あり-副病:なし 25 20.08 23.06 4.0 72.3
050170xx9720xx 閉塞性動脈疾患-その他の手術あり-処置1:2あり-処置2:なし-副病:0 22 34.46 36.93 4.6 65.2
050170xx99001x 閉塞性動脈疾患-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:あり 18 26.44 19.11 11.1 71.4
ランキングは昨年度と同様で糖尿病足病変や下肢動脈硬化症の患者様に対する手術症例が多いのが特徴です。血管移植・バイパス術の症例数が突出していますが、その適応のない患者に対してはできる限り切断せず患肢の救済を目的に診療を行っています。
糖尿病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし 36 16.86 20.84 36.1 82.9
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:なし 34 12.15 12.58 8.8 80.8
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:あり-85歳未満 31 12.68 14.74 0.0 67.6
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。)-手術なし-処置1:0-処置2:1あり-副病:あり-85歳未満 24 13.08 15.20 0.0 61.6
0400801499x002 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-A-DROP スコア2 23 11.22 15.17 4.4 83.2
1番目に多い症例は誤嚥性肺炎になります。平均年齢も82歳とかなり高齢であることがわかります。2番目の尿路感染症も同様に高齢者の罹患率が高く、年齢が高いほど重症化しやすい傾向にあるため、平均在院日数も長くなる傾向がみられます。次いで多い症例は糖尿病の教育入院となります。糖尿病は生活習慣病であり、覚えなければいけないこと(病気自体のこと、食事のことなど)が多くあります。教育入院を通じて医師、栄養士、看護師、薬剤師が協同して指導にあたります。また、外来通院を行っていても血糖コントロールが不十分だったり、糖尿病の合併症が悪化したりするときには治療のために入院が必要になります。当院ではカリキュラムをコンパクトに整理しており、全国平均の在院日数より短いことがわかります。
腫瘍血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx97x2xx 急性白血病-手術あり-処置1:0-処置2:2あり-副病:0 53 39.17 39.36 1.9 56.0
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:あり-処置2:なし-副病:0 42 5.41 3.34 0.0 76.5
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍-手術なし-処置1:なし-処置2:なし-副病:0 38 24.29 14.62 23.7 76.8
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症-手術なし-処置1:0-処置2:0-副病:なし 38 15.42 12.58 7.9 77.6
0400801499x001 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上)-手術なし-処置1:0-処置2:なし-副病:なし-A-DROP スコア1 23 17.30 13.48 4.4 82.3
腫瘍内科で1番多いのが急性白血病に対して化学療法を行う症例です。急性白血病は速やかな入院管理と診断・加療が要求される疾患であり、当科では突然入院となった患者様やご家族にも安心して治療に専念していただけるよう十分なご説明を行い、ご理解をいただきながら最善の治療を進めるよう心がけています。2番目に多いのが肺癌の症例になります。最近の患者さんの増加に比例して、肺の悪性腫瘍、主に肺癌の検査治療に関する入院が多くなりました。肺癌の確定診断をつけるために、「経気管支肺生検(気管支鏡検査)」という生体検査が必要で、当院では平均5日間程度の入院で検査を行います。肺癌の治療に関しては、トモセラピー(IMRT)、化学療法があり、個々の患者さんにとって最適な治療選択ができるような医療提供体制を整えております。次いで多い症例が尿路感染症となっております。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等-処置1:0-処置2:なし-副病:0 150 3.39 10.34 0.0 54.6
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍-乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)-処置1:0-処置2:なし-副病:0 119 3.00 6.10 0.0 53.3
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍-手術あり-処置1:0-処置2:0-副病:0 35 3.00 3.94 0.0 46.9
070041xx97x00x 軟部の悪性腫瘍(脊髄を除く。)-その他の手術あり-処置1:0-処置2:なし-副病:なし 14 3.07 9.74 0.0 52.8
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乳がんは切除する範囲の大きさやリンパ節治療をどこまで行うかでDPCがそれぞれ異なりますので、1位2位ともに昨年度と同様、乳がんの手術症例がランクインしています。いずれも全国平均よりも早い退院になっているのが特徴です。最近では芸能人の罹患により病識が若い世代にまで浸透しつつあり、当科領域の症例数が大幅に増加しています。当院では乳がんの治療はホルモン療法や抗癌剤治療、分子標的薬による治療等さまざまな手法を用いることができるため、治療効果の最大化とQOLへの配慮を考えながら診療を行っています。また3位の乳房の良性腫瘍も昨年度と同様のランキングです。これは、乳がん検診等で早期に疑わしき症例が発見されるケースが増えたことが影響しているものと考えます。がんに至るまでに治療を終える、今後もこういった症例が増えていくことが想定されます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 43 4 4 25 33 19 1 8
大腸癌 27 37 36 31 45 54 2 9
乳癌 103 80 20 3 20 45 1 8
肺癌 1 2 24 11 38 43 1 8
肝癌 5 8 6 1 3 25 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※5大がんと呼ばれる胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんの患者様の数を、初発のUICC病期分類別、および再発に分けて集計しています。
UICC病期分類とは、「UICC病期分類対がん連合」によって定められた、①原発巣の進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無、の3つのカテゴリーによって各がんをⅠ期(早期)からⅣ期(末期)の4病期(ステージ)に分類するものです。
※「初発」とは、当院において当該腫瘍の診断、あるいは初回治療を実施した場合を指し、「再発」とは、当院・他施設を問わずに初回治療が完了した後、当院にて継続的な治療をした場合や、寛解後の局所再発または新たな遠隔転移をきたした場合を指します。


当院は、乳癌の患者さんが最も多く、次いで胃癌、大腸の順になっています。とくに早期での治療が多く、都外から手術を希望される方も増えており、単に社会的ニーズの高まりだけではなく、術後の放射線治療までも最新設備でカバーできる当院の治療体制が幅広く認知され始めてきたのも要因の一つと思われます。また初発の患者数だけでなく、再発の患者数もそれなりに多い理由としては、当院が初回診断・治療を終えられた患者様の、継続加療の受け皿になっていることを示しています。外科的手術や化学療法はもちろんのこと、仕事帰りの夜間帯でも最先端の放射線治療が受けられる体制など、あらゆる患者様のニーズにお応えしてきた結果だと思われます。今後もさらに広域のがん患者の受け皿となるべく、保険診療の枠組みにとらわれず、自由診療の領域に及ぶ最先端のがん治療方法を取り入れていきます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 19 8.90 55.20
中等症 153 13.83 80.40
重症 55 19.91 84.00
超重症 32 22.66 86.30
不明 - - -
この指標では、20歳以上の方の市中肺炎について、重症度別に分類しています。「市中肺炎」とは、普段の生活の中でかかる肺炎のことです。重症度は、日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインによる重症度分類システム(A‐DROPスコア)を用いて分類されています。

成人市中肺炎は、その原因や重症度も様々ですが、当院の呼吸器内科では比較的軽症から中等症の患者さんが多い傾向にあります。重症度が高いほど、平均年齢も高く、平均在院日数が増える傾向があることから、高齢者の肺炎は重症化しやすいことが推測されます。市中肺炎は軽症の場合、ほとんどが基本的に外来診療となりますが、患者様の状態によって重症化が懸念される場合は入院加療となります。当院では中等症から重症の患者様が市中肺炎入院の大半を占めています。重症度割合は昨年と大きく変動しておりませんが、平均年齢が80歳を超えてきていることから、高齢者になると複数の基礎疾患を持つ患者様が多く、そのため肺炎そのものは軽症であっても治療への反応が不良で、入院期間が長くなることが考えられます。そのため、ガイドラインに基づいた適切な抗菌薬の選択、輸液や栄養管理、臥床に伴う廃用防止のためのリハビリテーション等、幅広い治療に取り組んでいます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 138 36.25 76.40 17.20
その他 25 44.92 79.00 1.80
脳梗塞の患者様についてICD10コード別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。
ICD10コードとは、国際的な統計基準として世界保健機関(WHO)によって公表された傷病に関する分類です。

当院では脳卒中の診療において、超急性期から慢性期に至るまであらゆる患者様に対応できる診療体制が整っています。発症後3時間程度の超急性期脳梗塞には、t-PA静注療法という血栓を強力に溶かす治療を優先して行い、早期からのリハビリテーションも可能です。当院の発症後3日以内の急性期患者さんは、全体の8割ほどです。リハビリにより平均在院日数が長くなる傾向にあります。治療後の在宅復帰率は81%で、約19%の患者さんが療養型病院等に転院されます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 149 0.03 1.08 0.0 66.6
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 41 1.66 5.61 0.0 72.9
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 17 0.24 1.94 0.0 71.7
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 17 1.59 6.35 0.0 65.1
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 11 2.27 13.82 0.0 76.5
消化器内科で最も件数の多い手術は内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術です。これは内視鏡を用いて腸にあるポリープを切除する治療です。健康診断結果や近隣の開業医の先生からの紹介も多く、他の手術に比べて圧倒的に多い症例数になっているのが特徴です。2番目に多い手術は、内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)。次いで早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術です。これは内視鏡的に胃・大腸の早期がんを粘膜下層ごと切り取る手術です。次いで多い手術が内視鏡的胆道ステント留置術となっております。
内視鏡専門医が増えた為、昨年と比べ内視鏡的手術が増加しました。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 260 0.43 1.31 0.0 71.3
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 126 1.02 3.87 0.0 65.7
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 46 0.02 7.24 4.4 69.8
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 44 0.02 11.23 2.3 66.3
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 40 1.00 6.33 2.5 80.4
心臓病は先進国の多くで死因のトップとなっており、日本でも死因の2位となっています。その中でも最近増加傾向にあるのが狭心症や心筋梗塞で、あわせて虚血性心疾患と呼ばれます。
当院ではこの虚血性心疾患に対する冠動脈カテーテル治療(ステント留置術、バルーン拡張術等)を最も多く施行しており、予定入院であれば1泊2日で退院することも可能です。また近年では不整脈治療にも力を入れており、特に心房細動に対するカテーテルアブレーション(経カテーテル心筋焼灼術)の件数が増えてきました。アブレーション手術とは過剰な伝導路(心筋を動かす電気の通り道)や不整脈の焦点を焼いてしまう治療のことです。さらに2015年度からは、約マイナス60度まで温度が下がるバルーンカテーテルによる冷凍焼灼術という新しい治療も開始しました。これは従来のアブレーションよりも治療時間が短縮でき、術中の痛みが少ないなどのメリットがあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 230 0.07 1.05 0.0 66.9
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 102 3.94 5.97 1.0 64.0
K6335 鼠径ヘルニア手術 97 1.39 3.30 0.0 73.3
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 54 10.46 15.72 3.7 71.5
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 50 3.38 14.90 4.0 70.9
平成30年度のランキングと同様の結果になりました。外科で最も件数の多い手術は消化器内科同様、大腸ポリープの切除術になりました。当院では外科と消化器内科の混合病棟があり、合同でのカンファレンスだけに留まらず常日頃から連携ができる環境にあるため、消化器疾患全般のシームレスな対応が可能です。次いで多いのが腹腔鏡下で行う胆嚢摘出術です。胆嚢炎や胆嚢結石症に対して行う手術で、腹腔鏡により腹腔内を観察しながら、腹壁から腹腔内に挿入した鉗子類を用いて胆嚢を摘出します。腹壁の破壊が少ないため術後の疼痛が少なく、入院期間が短いのが特徴です。3番目に多いのはヘルニアに対する手術です。鼠経ヘルニア手術は、手術時間は短く、術後の痛みもほとんどありません。入院期間も4~5日で済み、日常生活に早く復帰できます。また大腸癌の患者さんに対して、侵襲の少ない腹腔鏡での手術も行っています。小さな傷による手術のため、術後の回復が早く早期の退院・社会復帰が可能となりました。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 355 1.24 15.71 2.8 72.2
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 105 1.40 3.68 3.8 58.7
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 90 2.76 18.54 28.9 77.4
K142-4 経皮的椎体形成術 86 3.30 5.41 5.8 78.8
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 83 1.82 12.93 7.2 73.0
平成30年度とランキングに変動はありません。高齢化に伴う変形性関節症(股関節、膝関節)の手術が多いことが特徴です。平成30年度と比較しても手術件数は増えてきています。原則、外来通院中に手術のための術前検査(血液検査、心電図、レントゲンなど)を済ませますので、入院は手術前日となります。また長期リハビリが必要な場合でも、関連のリハビリ専門病院でリハビリを行うことできるような医療提供体制を整えております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 23 1.00 33.30 4.4 80.0
K6092 動脈血栓内膜摘出術(内頸動脈) 19 3.90 14.16 0.0 75.9
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 14 6.43 38.00 7.1 65.8
K1742 水頭症手術(シャント手術) 13 4.62 156.00 15.4 80.7
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脳神経外科で最も多い手術は、慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術です。慢性硬膜下血腫は、頭部外傷を負って1~2か月後に歩行障害や認知症等の症状が起こる病気で、多くが緊急での手術を必要とすることから、平均術前日数が1日程度となっています。また、脳の萎縮がみられる高齢者に多く、平均年齢は80歳となっています。次いで多いのが動脈内血栓内膜摘出術です。内頸動脈狭窄症は生活習慣病により動脈硬化が進み頸動脈が狭くなる病気で、脳梗塞の発症リスクも高くなります。平均年齢は75.9歳となっており高齢者に多くみられる傾向となっております。手術方法は頸動脈切開し、肥厚内膜を剥離摘出する手術となり、平均入院期間は約18日となります。3番目に多い手術が頭蓋内の腫瘍を摘出する手術となっております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5551 弁置換術(1弁) 12 12.83 18.75 0.0 70.3
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺不使用)(2吻合以上) 8 8.00 15.00 0.0 68.8
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 7 6.57 12.57 0.0 73.6
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心臓血管外科で最も多い手術が弁置換術となり、心臓にある弁を人工弁や機械弁に取り換える弁置換術になります。2番目に多いのが虚血性心疾患の患者に対して行う、冠動脈バイパス術です。冠動脈の病変部分を直接治療するのではなく、患者様自身の腕や足などの健康な血管を冠動脈につなぎ、血液を末端まで送る血管の迂回路を作成する手術です。人工心肺を使用して行う場合もありますが、当院ではほとんどの症例で、心臓を動かしたまま行う「オフポンプ」による手術を施行しています。これにより心臓にかかる負担を少なくし、全身状態の回復を早めることが出来ます。3番目に多いのが大動脈瘤の切除術です。瘤ができる場所によって手技が変わりますが、当院で多いのは腹部大動脈瘤に対するY-graft置換術になります。術後は早ければ術翌日から心臓リハビリテーションを施行し、ADLの早期回復に努めています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 133 1.44 3.61 0.8 74.2
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 63 1.05 2.48 1.6 58.3
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 58 0.85 3.74 3.5 72.9
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 54 2.00 8.70 0.0 68.0
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 33 5.06 14.67 3.0 66.2
泌尿器科で最も多いのは膀胱癌に対する内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術:TUR-BT)です。これは尿道から膀胱に内視鏡を挿入し、先端の電気メスで腫瘍を切除する手術です。手術中膀胱内に洗浄液を注入しますが、電解質溶液(生理食塩水)を用いるため、感染などの合併症が少なくなります。またアラグリオ顆粒剤を用いてのTUR-BT手術も行っております。アラグリオ顆粒剤を用いることにより、膀胱内の腫瘍細胞が赤色蛍光を発するというメカニズムにより、今まで視認できなかった平坦病変や微小病変、あるいは正常粘膜との境界部が確認でき、切除範囲の最適化が可能となります。平均入院期間は3.61日となります。2番目に多い手術は、経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの)です。腎結石症や尿管結石症の患者様に対して行う手術です。経尿道的に内視鏡を挿入し、超音波やレーザーなどで結石を破砕し、バスケットワイヤーカテーテル等を用いて摘出します。入院期間は基本的には2泊3日となります。3番目に多い手術は経尿道的尿管ステント留置術となります。尿管に結石が嵌頓(かんとん)している場合や、それに伴う尿路感染症をきたしている場合に尿管を拡張する目的でステントを留置する手術となります。これに次ぐのが前立腺癌に対する腹腔鏡手術で、当院では平成27年4月よりロボット支援鏡視下手術(ダヴィンチシステム)を導入しています。これにより低侵襲で、術後尿失禁等の合併症を低く抑えることができ優良な成績を得ています。
血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6145 血管移植術、バイパス移植術(下腿、足部動脈) 88 7.09 42.68 13.6 70.2
K6146 血管移植術、バイパス移植術(膝窩動脈) 25 3.96 27.44 8.0 72.6
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 23 0.17 4.09 0.0 71.4
K0842 四肢切断術(指) 19 1.74 20.16 5.3 62.9
K6105 動脈形成術、吻合術(その他の動脈) 13 2.46 11.08 7.7 71.0
糖尿病足病変や下肢動脈硬化症の患者様に対する手術症例が多いのが特徴です。血管移植・バイパス術の症例数が突出していますが、その適応のない患者に対してはできる限り切断せず患肢の救済を目的に診療を行っています。また、血液透析患者のシャントに異常が生じた際に行う手術も行っております。昨年比較してもほぼ同様の件数となっております。
糖尿病内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 12 14.58 21.50 41.7 75.8
K6147 血管移植術、バイパス移植術(その他の動脈) 2 48.50 10.50 0.0 85.5
K607-3 上腕動脈表在化法 2 10.00 31.00 50.0 71.0
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糖尿病内科で最も多い手術は、シャント設置術になります。慢性(数か月~数年間)に進行する腎臓の障害によって、体内循環の恒常性を維持できなくなった状態を慢性腎不全と呼びます。腎機能障害が進行する場合、腎代替療法の導入が必要となります。血液透析は、血液の体外循環を行い、体外の装置を通し老廃物を除去する方法ですが、長時間血液を浄化するために、シャントと呼ばれる血管を作る必要があります。前腕や上腕などの動脈と静脈をつなぎ合わせ、静脈を太くする手術(内シャント術)となります。
腫瘍血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 29 8.62 35.00 3.5 65.1
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 5 4.60 27.20 0.0 64.0
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 2 5.50 7.00 0.0 64.0
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抗がん剤投与のためのポートと呼ばれる小さな器具を埋め込む手術を行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 118 1.00 1.01 0.0 53.3
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 80 1.00 1.61 0.0 55.7
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 48 1.00 1.23 0.0 53.6
K4742 乳腺腫瘍摘出術(長径5cm以上) 20 1.00 1.00 0.0 44.0
K6274 リンパ節群郭清術(腋窩) 18 1.00 1.06 0.0 52.0
乳がんは切除する範囲の大きさやリンパ節治療をどこまで行うかで手術名称が異なります。最近では芸能人の罹患により病識が若い世代にまで浸透しつつあり、リンパ節への転移がない乳がん初期早期での手術症例数が大幅に増加しています。また、乳がんとまではいかない良性所見に対する手術症例も増加しております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 20 0.24
180010 敗血症 同一 16 0.19
異なる 19 0.23
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる 1 0.01
180040 手術・処置等の合併症 同一 68 0.81
異なる 7 0.08
播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、真菌症、手術・処置後の合併症を罹患した患者様について、入院時にその状態にあったか、あるいは入院後にその状態になったのか、それぞれその症例数と発生率を集計したものです。DICとは、さまざまな重症基礎疾患を原因に発症し、原疾患の急激な悪化と出血傾向の増加をきたす病態です。また、重篤な外傷、外科疾患の大手術後やさまざまな感染症などから血液中に病原菌が入り敗血症になり、これが原因でDICが起こることもあります。当院のDICと敗血症の発生状況をみてみると、入院後にその状態になった件数がそれぞれ20件(0.24%)と19件(0.23%)になっております。前年度はそれぞれ13件(0.16%)、13件(0.16%)でしたので発生率はやや増加しています。その他の真菌感染症の発生状況は入院後で1件。手術・処置等の合併症の発生状況は、入院時点で68件、入院後で7件になっております。

当院では、これら重篤な感染症や手術等の合併症発生率を出来るだけ低くするよう、他職種で形成した感染対策チームを中心に、感染予防対策の院内周知と、万が一感染した場合の迅速な対応に日々取り組んでいます。
更新履歴
令和2年9月23日
令和元年度病院指標データの公開開始