社会福祉法人 仁生社
江戸川病院
脳出血(脳内出血・くも膜下出血)・脳梗塞や硬膜下血腫・水頭症などの総称です 。
症状:頭痛・意識障害・麻痺・言語障害(失語症・構音障害)・高次脳機能障害・嚥下障害・歩行障害・ADL(日常生活動作)障害・などが主にあげられます。
診断:上記症状・CT・MRIなどにより診断されます。
治療:神経内科・脳神経外科の領域で薬物療法・手術療法などが行われます。
意識障害・麻痺・言語障害(失語症・構音障害) ・高次脳機能障害・嚥下障害・歩行障害・ADL(日常生活動作)障害などの症状の評価と訓練を入院・外来患者様を対象に行います。
神経内科・脳神経外科治療と同時に(或いは、リハビリテーションが各科治療に影響しない範囲で)できる限り早期からスタートします。
早期よりリハビリを開始し、離床を可能とすることにより、麻痺している上下肢の早期の回復を促し、健康な部分の筋力の低下や関節の拘縮、褥創(床ずれ)さらには呼吸機能の低下を予防する事が出来ます。
まずは患者様の意識状態を評価し、意識障害のある方には種々の医療スタッフが様々な色々な面から刺激をして回復を目指していきます。
身体機能面に対しては、麻痺や全身状態の評価を行い、麻痺肢の回復訓練や関節拘縮の改善、麻痺していない部位の筋力維持・強化を図ります。同時に日常生活動作の基本となる寝返りや起き上がり訓練、端座位(ベッドの端に座る)訓練、歩行訓練などを行っていきます。状況や必要に応じて杖や補装具などの補助具を使用します。また早期より自力での移動を可能にするために車椅子移乗や操作などの訓練も行います。
言語障害(失語症)・高次脳機能障害に対しては、言語聴覚士が中心となり評価・訓練を実施します。(詳細は失語症と高次脳機能障害をご参照下さい。)これらの障害は、一概には言えませんが、比較的長期間にわたって回復が見込めることが分かってきております。そのため入院時はもちろん、外来でのリハビリテーション訓練にも力を入れております。
ADL(日常生活動作)障害に対しては実際の日常生活場面(病棟・自宅)において随時評価していきます。食事や着替え、トイレでの動作、歯磨きや洗顔などの毎日行う動作を評価し(必要な場合は補助具なども利用することで)早期に自立できるよう少しずつ訓練していきます。
嚥下(食物の飲み込み)障害の症状が見られる患者様には言語聴覚士が中心となり嚥下状態を観察、評価(必要に応じて嚥下造影検査《VF》等を実施)し、嚥下訓練を進めます。状態に合わせて食形態を検討していきます。はじめは模擬食から、改善度を見ながらペースト食や軟菜等へと段階をおって調整しています。嚥下がうまくいかないと誤嚥をおこし重篤な誤嚥姓肺炎を起こすこともありますのでこれはとても重要です。
脳血管疾患の場合、医療保険で可能なリハビリ期間は基本的に発症から約6か月間と定められています。 当院では個々の患者様に対して退院後の在宅生活を踏まえた集中的なリハビリテーションを入院中に実施することを基本としています。しかし、障害の状態や年齢、社会的な状況などによって必要な場合は基本的な期間に関わらず、外来でのリハビリテーションも(継続して)実施しています。